超小型衛星通信 大容量・双方向に 2000年07月07日 日経産業新聞 第一面掲載 
 衛星機器関連のテレマン・コミュニケーションズ(TCC、東京・台東、細野義彦社長)は米ベンチャーと共同で、音声や動画像など大容量のデータでも高速でやり取りできる新しいVSAT(超小型衛星通信基地局)方式の通信衛星(CS)システムを開発した。独自の信号変換技術を実用化し、衛星側からだけでなく、双方向で大容量データを送受信できるようにした。既存のCS通信設備を活用するため初期投資を抑えることができる。近く東海大学地震予知研究センター(静岡県清水市)と地震データや映像の伝送実験を始め、年内にも商用化する。

 新システム「ブロードバンドVSAT」の信号送信能力は、上り回線が従来の伝送速度の十倍の毎秒一・五メガビット、下り回線は二倍の同四メガビット。キロビット級からメガビット級の大容量データ通信が可能で、音声を含む動画像や情報量の多いデジタル画像なども高速で送受信できる。

 伝送能力を高めるためデータ信号から電波信号に効率良く変換する技術を実用化した。回路技術に独自開発したASIC(特定用途向けIC)と制御用ソフトウェアを採用した。

 TCCは衛星・無線技術を手がける米オムニ・スペクトラム社(カリフォルニア州)から技術導入し、システムを開発した。CSの中継器を借りる予定。

 新技術を搭載した通信設備を基地局に設置することで送信時の周波数帯域の無駄を抑え、既存のCS通信設備を活用しながら大量の情報を送ることができる。新規に設備導入する場合でも従来のVSAT方式に比べ、初期投資額は十分の一程度にできるという。

 月内にも東海大地震予知研と双方向のデータ送受信実験を始める。地震計と地震予知研を結び観測データを送受信したり、映像をネットで生中継するテレビ会議の実験を実施する。遠隔教育や遠隔医療向けのシステムとしても売りこむ。TCCは九八年設立。米国製衛星システム関連機器を輸入販売している。国内プロバイダー(インターネット接続業者)に出資参加し、今夏メドにネット接続事業にも進出する計画。九九年度売上高は約六億円。資本金は一二億円。

<< BACK